07:そして、林檎を食べる 薄紅の頬の少女 赤い果実を頬張って笑んでいました いつかのふたりの姿が頭を過ぎり いつしか持て余すようになってしまった 寂しさを掌で転がしました 微笑みながら手を引かれたのも もうすぐ懐かしい思い出になるのでしょう 私は少女に微笑むのです あまい林檎はお好きかしら 少女は私に微笑み 大好きよと言うのです 少女の手元 艶やかな光を反射する林檎 少女の柔らかな光を湛えた瞳 想いをそっと 託して